2019年に聴いた音楽
久しぶりの更新です。もう少し書こうと思っていたんですが、書きたいテーマが(必要な調べ物の量的に)重たいものばかりで…今のところ考えているのは
・小出祐介と青春
の2つです。そのうち上げられれば…
今回は今年初めて聴いた音楽の中で特に印象に残っているものを5作ほど紹介しようと思います。今年はサブスクリプションで聴くようになったので、それとの付き合い方を探りながらの1年だったように思います。満足できる使い方に至ったのは秋くらいでしたね…来年はもっと楽しく使えそうな気がしています。
1. Reflections/Stimming
今年はミニマルテクノやIDMと呼ばれるものを比較的よく聴いていました。もともとサカナクションが好きなので興味はあったのと、去年ハマったMount Kimbieからの流れですね。
全体として、リズムセクションの音色に潤いを感じるのが気に入ってます。硬質な音なのに、なんか水っぽいんですよね。ローの質感と、タムのピッチの揺らし方から来てるんだと思いますが…
ジャンル柄そりゃそうなんですが、ストイックな程平坦に?テンションの差があまりなく?アルバムが進んでいきます。音数もあまり多くないんですが、それらの質感のよさ、ループの中にある小さな差異を探すことの楽しさに満ちあふれた曲ばかりで飽きることなくいつまでも聴いていられました。マジでずっと聴いてた月がありました。こんなツイートもしました。
盛り上がらないダンスミュージックが好きなんだけど、盛り上がらないというよりは最高到達点が低いだけでちゃんと差はあるんだよな むしろどれだけ低い山でブチ上がれるのか?の挑戦というか
— 大学通り26時 (@ActionvOi) 2019年11月19日
ずっと米粒を1粒ずつ拾いながら歩いていて、段々それらが同じ米粒ではなくて少しずつ形が違ったり何か文字が書いてあるな?みたいなことに気づいて楽しくなってきたところに最後はおにぎりが現れて狂喜する、みたいな感じ(伝われ)
— 大学通り26時 (@ActionvOi) 2019年11月19日
2. Black Sea/XTC
ベボベもサカナクションも参照点に挙げてるし聴かなきゃ、と思ってそのまま何年か経っていたのですが、今年やっと聴きました。山口一郎が「パンク/ニューウェイヴこの1曲」にLiving Through Another Cubaを挙げていたのでこのアルバムを。
特に前半の曲を聴いて感じたのが「ベボベのCじゃん!」ということです。順番逆ですけどね…逆、という話で行くと今年は終わりの季節をレイ・ハラカミの曲だと思ってたりSports Menをkimonosの曲だと思っていたりということもありました。笑
Cじゃん!の話に戻りますが、ミドルテンポでの4つ打ち、ギターの音色、リフのちょいダサな感じ、一筋縄ではいかないコードの使い方、等々…初めて聴くアルバムなのに、こんなに親しみをもって聴けたことはあんまりなかったです。今までベボベの4つ打ちはトライセラからの影響(もちろんそれも実際あるでしょうが)だと思っていたのですが、根っこはこっちか!!と。あとドラムのリバーブ感がめちゃくちゃ好きです。
3. Time Machine/藤原ヒロシ
藤原ヒロシについてはサカナクションの多分、風。にルーキーのリミックスを提供していたり山口一郎とちょくちょく番組に出ていたりしていたのでなんとなく知ってはいたのですが、オリジナル曲を聴いたことはありませんでした。山口一郎がオールナイトニッポンでこの曲をかけていて出会ったのですがブッ飛びました、ド名曲でしょ…
リズムの組み立て、音色、ウワモノの差し込み方、奥行きのある音像、そしてこんなにダンスミュージックとして最高なのにあくまで歌モノとしてしっかりとできていること、何から何まで褒めるところしか見当たらないです…声もメロディも素晴らしい…特に気に入っているのは間奏で入ってくるこれはソフト音源で打ち込まないとこうはならないでしょ!というエレキベースです。Perfumeにもたまにありますがアレ好きなんですよね。
4. エピタフ/トリプルファイヤー
急に毛色が変わりますが…だって衝撃だったんだもの。笑
バンドのボーカルに教わって聴いたんですがドップリハマってしまいました。ハマりすぎてコピバンやってしまいました。ボーカルで。歌ももちろん最高なんですけど演奏もすごい…これはなんか説明する方が野暮だから聴いてください。笑
5. 834.194/サカナクション
待ちに待った、待ちに待ちまくったサカナクションのアルバムが出ました。前作が出たときは中学一年生だったんですけどね…でも待った甲斐がありました。最高でした…
フラゲ日が20歳の誕生日の1週間前で、マックでサカナクションが表紙のムジカを読みながら聴いていたんですが、中学生になって本格的に音楽好きになってからの自分を丸ごと肯定できるような感じがして、とても報われた気持ちになりました。ボロボロ泣いてしまって、ポテト食べて泣いてる人になってしまいました。この人たちを好きで本当によかったと。「少年という感覚よりも成熟した今の自分がそこに対する憧れを持ってる、それを歌にすればいいんだなっていうのがはっきりわかったんですよね」、小出祐介が光源でやった「2周目の青春」そのまんまで、もう違う道を選んだように見える自分の思春期を象徴する2人のミュージシャンがやっぱり根っこでは同じものを持ってる人なんだなと思ったし、曲調も違うそのふた組を共通する視点で好きになった自分に自信を持てた、それがすごく嬉しかったです。
曲自体も、サカナクションと関係なく好きになった(無意識に影響されてたってことだと思いますが)シューゲイザー、エモのエッセンスが入った曲があったり(ワンダーランド)、ニューウェイヴ、AORの要素が全体に感じられたり(ニューウェイヴはデビュー以来ずっと纏っているものですが)、自分の音楽趣味は全てサカナクションに収束していくんだな、という確信を持てましたし、これからもきっとそうなんだろうなと思いました。大げさかもしれませんが、このアルバムを聴いて僕は10代を終えることが怖くなくなったような気がしたんです。冗談ではなくね。
最後めちゃくちゃポエムになってしまいましたが、こんなところです。5作見ても改めてサカナクションの影響力の大きさを感じますね…最後にこの5つに入れなかったものもいくつか箇条書きで書いておきます。
Talkie Walkie/Air
Meat Is Murder/The Smiths
ゾンビランドサガ フランシュシュ The Best/フランシュシュ
Grape/Base Ball Bear
Bend/D.A.N.
Vacuum Boogie/Floating Points
Pink/Four Tet
新しい人/OGRE YOU ASSHOLE
I Know You Like It/Shinichiro Yokota
では来年もよろしくお願いします、僕にもみなさんにも素敵な音楽との出会いがありますように。よいお年を。