ヴ(ォイ)ログ

音楽、機材、サカナクションの話

2020年に聴いた音楽

 こんにちは。こんばんは。おはようございます。去年もやったように、今年聴いた音楽を振り返っていこうと思います。今年これにハマった!!というものを5作ほど挙げていきます。 

 

1. Cherish / KIRINJI

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 去年の年末にリリースされたアルバム、かつKIRINJIバンド体制におけるラストアルバムです。個人的には現体制での集大成にして最高傑作だと思っています。"和製スティーリー・ダン"を改めて感じさせられる皮肉めいた歌詞、バンドの編成に囚われないサウンドディレクション、欧米のシーンへのアプローチとも言えるファットなローの質感…どれをとっても素晴らしいアルバムです。M1「あの娘は誰?とか言わせたい」の入りのスネア、そこから入るキックの音でもう勝ってる。前作で見られた「近未来」的なテイストを維持しながらあたたかい愛の歌まで見せてくれて今年は本当によく聴いてました。他にはM3「雑務」M4「Almond Eyes」、M9「隣で寝てる人」がお気に入りです。

 

2. Time Warp / Perfume

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 このブログで散々言及しているサカナクションと並んで、Perfumeはリスナーとしての僕を形づくった存在です。ここ数年のPerfume(Future Pop後)の「1周した」感が個人的にたまらないんですよね…J-POP的な構造の楽曲にエフェクティブなボーカルが乗っていたJPNまで、ボーカルのエフェクトが薄まっていくのに呼応するように本場のトレンドに接近したバキバキにダンサブルなトラックが増えたLEVEL3~Future Pop期と、Perfumeの楽曲は大きく2つのタームに分けることができると思っているのですが、そこからこの曲に至るまでの彼女たちはバキバキに強いサウンドを維持しながら初期のようなポップソングに立ち返った感じがある気がします。「パーフェクトスター・パーフェクトスタイル」なんかで描いていたはずの絵をやっと現実にできたというか。3人と中田ヤスタカ氏との成長を感じて涙せずにはいられない…今年はコロナのせいで5年ぶりに観に行くはずだったPerfumeライブがなくなった散々な年でした、3人ともいい歳ですしもう見納めの覚悟をしていただけに。またもう一回見られるのかなあ…

 

3. Air & Lack Thereof /James Blake

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 ジェイムス・ブレイク、てっきり「CMYK」からの人だと思っていて見ていなかったのですが、それ以前の作品のまあ素敵なこと…エッジ―過ぎない不穏なテクスチャーのシンセ、大胆に変調されたボーカルなど現在までの特徴も既に発揮されていますが、「ポスト・ダブステップ」と言うラベルがつくギリギリ前の、クラブへの目線が大いに感じられて好きです。(HEMLOCKから出すくらいだから当たり前ですが)彼のすごさはここから逸脱していったところにある、というのはわかりますし僕も「James Blake」以降の作品は大好きですが、やっぱりこの人トラックメイカーじゃないか!と感じさせてくれた1枚です。最近リリースされた新譜がこの頃の匂い漂うクールなものでした。

 

4. Sixteen Oceans / Four Tet

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 好みド真ん中のアルバムが出てしまいました…スッキリめに仕上げたローエンドの処理、飾りすぎないリズムマシンサウンド、空白の作り方が実に巧みなフレージング、冗長にならない尺にまとめるバランス感覚と、本当に全部が最高です。今年僕が作った曲たちはこのアルバムのムードにかなり触発されています(顕れ方は結構違いますが)、記事の最後に名前を挙げたScubaもそうですが、やはりベテランは強いなあと。The Lot RadioというネットラジオFour Tet がDJプレイをしている動画も素晴らしいので是非。

 

5. エアにに / 長谷川白紙

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  ぶっ飛びました!ぶっ飛びましたよ!1年遅れでね!名前はめちゃくちゃ目にするけど聴いていなかったなあと思って聴いたのですが、和声とリズムに対する偏執的なこだわりがビンビンに感じられるのにポップソングとして十二分に成立しててたまげましたし、絶対に自分が好きなものを好きな人に違いないと感じました。案の定サカナクションにかなり大きく影響を受けているらしく、自分の耳も捨てたもんじゃないなって(照) 冗談はさておき、本当に久しぶりにリアルタイムで触れ続けたいミュージシャンと出会いました…D.A.N.以来かもしれない。M5「風邪山羊」、M9「山が見える」が特にお気に入りです。

 

 今年は家に居ることが多く、あまり音楽をたくさん聴いた年ではありませんでした。(部屋にいると聴くよりもDAW立ち上げてギター弾いたりトラック作ったりで遊んでしまうので)上に挙げた5個以外にも、今年自分の趣味に入った作品をいくつか挙げておきます。本当にロックバンド然としたものをあまり聴かなくなっているな…

 

Utopia / Darius

Mo Kolours / Mo Kolours

Bonito Generation / Kero Kero Bonito

Triangulation / Scuba 

It Is What It Is / Thundercat

消えない / 赤い公園

Behaving Like a Widower / Yoko Duo

A New Place 2 Drown / Archy Marshall

Man Alive! / King Krule

C3 / Base Ball Bear

 

 それでは、来年も僕とみなさんに素敵な音楽との出会いがありますように。よいお年をお迎えください。