機材の話: The King Of Gear Mini Glitch ~スイッチを踏むタイミングについて~
こんにちは。こんばんは。おはようございます。
ちょっと書きたいネタができたので、最近買ったMini Glitchについて書こうと思います。すこしずつ手持ちのペダルやら機材の話もしていけたらなあと…
というわけで、先日こちらのMini Glitchを購入しました。やったね!
The King Of Gearは、レディオヘッドの機材情報まとめサイト「The King Of Gear」が母体の、レディヘオタクのレディヘオタクによるレディヘコピーのためのブランドです。レディオヘッドをコピーした過ぎてエフェクターを開発し、ブランドまで立ち上げてしまうとはこわ…もとい見上げたオタク精神ですね…。
Mini Glitchは、ジョニー・グリーンウッドがMax/MSPを駆使して作り出していたランダムグリッチエフェクトを軸に、様々なグリッチ効果を得ることができるペダルです。公式も例に出しているように、「Go To Sleep」のギターソロなんかが典型です。(動画の2:35過ぎ~)
ではMini Glitchのモードやコントロールについて。
まずは大きなノブがサンプルサイズ、サンプリングされる長さのコントロールです。サンプルサイズと言われると馴染みがないような気がしますが、ディレイタイムだと思って弄れば問題ないです。また、サンプルサイズのノブを最小に設定するとランダム設定になり、グリッチが有効になる度にランダムな長さで演奏がサンプリング/ループします。
続いて右下のアナログドライパススイッチでは、グリッチが有効になっている時にドライ(原音)を出す(pass)か出さない(mute)かを切り替えることができます。トリッキーなソロやSWモードではドライはカットした方が映える印象ですが、ドライを出力して普通の空間系のように使うのもまた良いです。
そして1番の肝、モードスイッチです。RND、TRSH、SWの3つのモードを切り替えることができます。RNDモードではエフェクトがかかるタイミング、そしてオフになるタイミングが完全にランダムになります。要するに、このペダルをオンにして演奏していれば勝手にエフェクトがかかってくれるというわけですね。制御は不可能ですが、それこそがこのペダルの魅力でしょう!このモードでサンプルサイズもランダム設定にしたエフェクトが、まさに「ジョニーの音」を再現している音ですね。
TRSHモードは、設定したしきい値を超える入力があったタイミングでエフェクトがかかるモードです。その後再び設定値を超える入力があるまでそのサンプルはホールドされたままになります。強弱をつけたアルペジオで狙ったタイミングの音だけホールドさせる、などの運用が考えられますが…僕はなかなか使いこなせていません。笑 右手の強弱をうまく反映させられるスレッショルドの設定も難しいですし、僕の使っているメインの歪みは右手のダイナミクスがボリュームではなく歪みの量に出るので余計に…
SWモードはスイッチを踏んだタイミングでエフェクトがかかるモードで、1番分かりやすいのではないでしょうか。MASFのRaptioやBANANANAのMANDARAなどと同じようなモードですね。正直とても使い勝手が良いので1番使っています。笑
さらに、フットスイッチを押しっぱなしにした状態でノブやモードスイッチを操作することでモード毎に違ったパラメータにアクセスすることができます。RNDモードではエフェクトがかかる頻度、TRSHモードではエフェクトのかかるしきい値、SWモードではサンプルサイズをランダム設定にした際の最大サンプルサイズをノブで、またSWモードでのみフットスイッチのラッチ/モーメンタリーを切り替えることができます。
※これに加えて裏蓋を外した基盤にあるトリムポットでエフェクト音のレベルを調節することができるのですが、マニュアルには記載がないので自己責任でお試しください…僕は少しだけ上げて使っています。
以上のようにぶっ飛んでいながら実に気の利いたペダルで大変満足しています…と、本題はここからです。
今回このペダルの記事を書こうと思ったのは、スイッチモードにおけるスイッチを踏む最適なタイミングについて考えたからなんですよね。ツイッターにてフォロワーの方とグリッチペダルについてお話していたところ「raptioは反応が速くてピッキングと同時に踏んでもうまいことかかってくれる」とおっしゃっていたのでこのペダルもそのように試してみたところなかなかうまく行かず…ルーパーでフレーズを流しつつ手でスイッチを押して色々と探ってみたということがありまして。
ルーパーを使ってグリッチのスイッチを押すタイミングをはかったりタイム動かして遊んだりしました pic.twitter.com/CcqW4GttMD
— 大学通り26時 (@ActionvOi) 2020年2月5日
この動画でサンプルサイズを最大にしてスイッチを押した時、その直前に鳴っていたフレーズが「巻き戻って」サンプリングされたのがお分かりになるでしょうか?一般的なディレイペダルなどは、踏んだ瞬間にエフェクトが有効になり、その直後の入力に対してエフェクトがかかりますが、このペダルはその逆なんですね…ですから、短めのタイムでマシンガンサウンドのような効果を狙ってこのペダルを使う際には、スイッチを踏むタイミングをピッキングのタイミングから僅かに後ろにズラすのがコツなのではないでしょうか…ということが言いたかった記事です。上で挙げたような他のグリッチ系ペダルがどうなのかについては把握できていませんが…もしかしたら追記するかもしれません。
〈2020/02/14 追記〉
ツイッターのフォロワー氏にRaptioの使い手がいらっしゃったので、お願いして動画を送って頂きました。(灰野さん、本当にありがとうございます!)
ブログ追記用① pic.twitter.com/0GFEq3qPCW
— 大学通り26時 (@ActionvOi) 2020年2月14日
タイムを最大にして踏んでいただきました。Mini Glitchとは違い、フットスイッチを踏んだ瞬間からサンプリングが開始されているのが分かります。
ブログ追記用② pic.twitter.com/kD3xOFXsRe
— 大学通り26時 (@ActionvOi) 2020年2月14日
このように短いタイム設定では、ピッキングと同時に踏んでも綺麗にかかっています。どちらの仕様が馴染むのかも含めて検討してみると良さそうです。
〈追記ここまで〉
というわけでMini Glitch、大変オススメです。ピッチシフターやリバースディレイにRNDモードを合わせるのがお気に入りですのでお試しあれ。(最後にいくつか参考の動画貼っておきます)次の記事は頑張って近いうちに出したいなあというつもりでいます。あくまでつもりです。それではまた。
mini glitch、コード弾いてるだけでかっこいいので精神衛生上よろしいな pic.twitter.com/8o8HyDo5KS
— 大学通り26時 (@ActionvOi) 2020年1月27日
リバースディレイにランダムモード合わせてみました 楽しい〜 pic.twitter.com/Uaj0XZQAJx
— 大学通り26時 (@ActionvOi) 2020年1月27日
次がスレッショルドモードです
— 大学通り26時 (@ActionvOi) 2020年1月27日
設定したレベルを超えた入力があるとグリッチがかかります アルペジオしながら狙ったタイミングでグリッチさせたりできますね、スレッショルドの設定がなかなか難しいのでもっと詰めたいです pic.twitter.com/amwjXhEbEx