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音楽、機材、サカナクションの話

ヴェルディは楽しい:後編

 後編です。こっちの選手紹介が書きたくて始めたんだぜ。2020シーズンのヴェルディの選手について、試合に絡んでいる選手を中心に個々の印象を書いていきます。

 

今回のお品書き

①現在のヴェルディはどういうクラブなのか?

②追いかけていて何が楽しいのか?

③試合に絡んでいる範囲での選手紹介 ←ココ

 紹介の文章中は敬語やめてみます。そっちの方が自然に書けそうなので。

【GK】

31 マテウス

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 去年までの守護神、上福元直人の流出に絶望していた我々に差し込んだ光明。「U-20ブラジル代表経験あり」という文句に漂う地雷感は全くの杞憂で、丁寧なポジショニングと安定したセービング、それでいて足下の技術も申し分なく、近年の助っ人GKブームにも納得させられる優秀なキーパーでございました。真面目でプロ意識が高いところもしゅき。あとクロスボールに対して飛び出す時の「キーパー!」というかけ声が日本に来てから覚えたのか?ってくらいぎこちなくてかわいい。

1 柴崎貴弘

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 チーム最古参かつ最年長。基本的にはずっと第2GKとして選手人生を送ってきた苦労人。ベテランなだけあって流石に現代サッカーに求められる足下は備えていないものの、シュートストップには目を見張るものがあり、この選手をベンチに置いておける安心感は他に代え難い。プロレス好きが高じて(?)年々見た目がプロレスラーみたいになってきている。

【DF】

2 若狭大志

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  寿司屋の板前感あふれる風体ですが、実に器用なプレーぶり。CBと右SBをそつなくこなす若狭抜きに今季の可変システムは難しいのでは?前線にパスをつけるタイミング、攻撃参加への意欲、肝心の対人守備と、一通り求められる能力を兼ね備えており、調子にムラさえなければもっと主軸になれるのに…という選手。自分でアルバイトして大学の学費を稼ぎながらサッカーをしていた上に「安定した仕事がいい」と本気で就活もしていた真面目な人である。

3 近藤直也

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 元日本代表。プレー時間は少ないが、特に今季は出場すれば流石だなという働きを見せてくれる。ラインの統率、的確なコーチング、迷いなくファウル覚悟でタックルにいけるハート…経験のなせる技でもあるが、とてもクレバーな選手。この人がサブであるという事実が今年のDFの充実っぷりを表していると思う。

5 平智弘

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 ユース→大学サッカー→町田を経てヴェルディに帰還したセンターバック。どうにも軸になりきれない、といったパフォーマンスが続いていたが今季はDFリーダーとして一本立ち。選手として今までで最も充実している時期である。左利きのCBであるというそれだけで価値のある存在だけに、平の成長は本当に嬉しい。今やJ2屈指のエアバトラーでもあり、注目の選手。

6 高橋祥平

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 ユースからトップチーム昇格を果たし、J1に引き抜かれてから8年。このクラブを愛してやまない人間がまた1人帰ってきてくれました。前編で書いた「チームの経営のために売られた選手」の1人で本人も移籍を望んでいなかったというのがこの度明かされて泣いたともさ。社長が「絶対にもう一度戻すから」と約束していたそうで、30手前の今果たされて本当によかった。J1通算150試合出場は伊達ではなく、J2において別格のプレーを続けている。ヤンチャ小僧だった祥平がキャプテンマークを巻くようになるなんて…(今もヤンチャだけど)足下も確かで、攻撃参加も魅力。

16 福村貴幸

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 今季の大当たり補強の1つ。J3アシスト王の実績を引っさげてやってきた今季も既に8アシスト。J2アシストランキングでもトップにつけている。左足の精度はまさに一級品でお金が取れるキックだなあと惚れ惚れする…フリーキックでのセンタリング、毎回マジで同じ弾道を描くんですよ?アシストプレー以外の物足りなさもあるのが正直なところで、さらなる成長に期待したいところ。顔の割に明るいキャラでルーキーにもめちゃくちゃイジられている。

17 クレビーニョ

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 自由人。フラメンコからやってきたこちらも年代別ブラジル代表経験のある逸材。確かにフィットネス、ボールテクニック共に申し分ないのだが、どうにも動きがフリーダムすぎる。レギュラーを掴みきれないのも正直納得はする。しかし愛される選手ってこうだよなあというか、プレーも仕草も愛嬌たっぷりで選手にもサポーターにも人気の存在。自信満々でPKキッカーを志願して盛大に外しても大笑いされて終わるのなんてウチじゃクレビしかいない。ロマンは感じる選手なので頑張ってくれ。

【MF】

9 佐藤優平

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 マリノス出身なのにめちゃくちゃウチの人っぽい雰囲気がある。キックの質はお世辞抜きにJ2屈指で、責任感も強く運動量豊富なのだが、そこが仇となってつい全部自分でなんとかしてしまおうとするクセがあるのが玉に瑕。能力は高く数字は残す(ここまで5ゴール5アシスト)ので使いたいのだけど、チームのストラクチャーを優先すると難しい…もうひとつ頭の切り替えができると上のレベルの選手になれるんだけども。

11 井出遥也

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 今季の補強の中で1番デカい名前なのではないか。元ジェフの至宝。やはりドリブルが1番の魅力で、相手と対峙した時にスッと真っ直ぐ立ち上がったニュートラルな姿勢をとれるのは強い。まっすぐ立っただけで空気を支配できるドリブラーは日本人にはなかなかいないと思う。クリロナが仕掛ける時にも似たワクワクを感じさせてくれるが、もう少し直接的な数字が欲しいところではある。

14 森田晃樹

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 ユースから昇格2年目。永井監督の懐刀と呼ぶにふさわしい選手で、ユース時代から慣れ親しんでいる永井サッカー1番の理解者。十徳ナイフみたいな選手で、ビルドアップ時のポジショニング、独力での打開、DFラインを無力化するパスと、攻撃の全てのシチュエーションにおいて効果的な働きをしてくれる。中でも「相手の逆を突く力」はずば抜けており、囲まれていてもスルスルとボールをキープしてくれる。こちらもゴール・アシストが付いてくるようになると最高なんだけど…かなり推しの選手。

4 澤井直人

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 ユース昇格7年目。永井監督が現役時代から目をかけていた選手で、さあこれから、という時に大怪我を負ってしまい、復活の途上。フランス2部へのレンタル移籍を経て逞しさを増し、より万能型の選手へと変貌を遂げていく予感。J2では負けないだけのパワーがあるので、もう一度突き抜けた活躍をしてほしいところである。監督は「澤田」と呼び続けているが、間違えているわけではありません。

20 井上潮音

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 ユース昇格5年目。永井監督に「潮音が昇格してきて、自分は引退するべき時なんだと感じた」、ロティーナ元監督に「シオンは我々にとってメッシのような存在」と言わしめたヴェルディの至宝。まるで未来が分かっているかのようなプレーをする。ここ数年は殻を破れずにいたが、今年は遂にひとつ突き抜けた感がある。チームを背負う自覚がプレーの端々に現れており、年齢もあってこの人が引き抜かれることがちょっと想像しにくくなってきている。次代のバンディエラ筆頭候補。

21 山本理仁

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 ルーキーの年齢だが、去年飛び級で昇格したため2年目。存在のスター性では潮音以上のものがあり、永井監督は「中村俊輔を超えることが十分に可能だ」と表する。意識バリ高い系かつ王様タイプで、自分がチームを操ることがさも当然のことであるかのようなプレーぶり。左足のキックも魔法を起こせるものだし、遅かれ早かれ海外に行く器なので要注目。

36 藤田譲瑠チマ

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 ユース昇格1年目。ジョエル。今季最大の発見。潰せる、捌ける、運べる、アンカーとして完璧な能力を持っている。徐々に得点に結びつくようなパスやミドルも増えてきており、まだまだ伸びていけるはず。ヴェルディのみならず日本人でこれはなかなか出てこないというタイプで、遠くないうちに欧州が放っておかない存在になると思う。J2全体でも注目される選手で、ホントいつまでウチにいてくれるやら…大久保嘉人が目をかけており、いつも大声でゲキを飛ばされている。

18 新井瑞希

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 去年途中から加入。本田が持ってたオーストリアのSVホルンに行っていた選手で、ドリブルとカットインからのミドルが魅力。しかしワンパターンなところも否めない部分があり、縦にも行けるようになれば怖い存在になれるだろうな…と思っていたら今季はそこへの取り組みが感じられるプレーが多い。前節の愛媛戦では縦へのチャレンジ、さらに左足でのゴールも記録し、覚醒のきっかけが来たかもしれない。こんな顔していびきがめちゃくちゃうるさいらしい。

19 小池純輝

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 去年7年ぶりに復帰したベテラン。それ以前はSBでのプレーも多かったが、昨季はウィングのポジションで16ゴールの大活躍。今季も7ゴールで現時点のチーム得点王である。スペースを見つける力が高く、ファーストコントロールとシュートの技術も33歳にしてどんどん向上しており、畏敬の念さえ覚える。娘の甜歌ちゃんがかわいい。

【FW】

13 大久保嘉人

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 言わずと知れた名ストライカー。ではあるものの、未だにゴールは0…どうにもチーム内のタスクを理解し切れていない印象で、随所に流石だなというプレーは見せてくれるものの軸にはしきれない状態。CFのポジションからついつい下がって受けてしまうよくない時のクセが出てしまっているような。もっと得点に集中してくれたらいいのになあと思います。来年も見たいですけどどうなるかねえ…

25 端戸仁 

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 加入2年目。あと5年早く来てくれりゃなあ!という選手。非常に器用で、サイズがないにも関わらず前線できっちりキープできるし捌けるし、シュートシーンにもキチンと顔を出せる。チーム内で1番CFの動きを理解しており頼もしいのだが、タスクが多すぎてゴールが少ないのが気の毒でならない…

48 山下諒也

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 大卒ルーキー。抜群のスピードで即チームでも有数の武器になってみせた。前にスペースがある時にはまさしく無敵で、対応しきったDFはまだいないのではないか。足下の技術はまだ物足りないのと、相手と向かい合った状態でのドリブルでは何も見せられていないので、そこが伸びてくれば海外・代表も見えてくる逸材。足の速い選手にありがちな雑なプレースタイルではなく、プレスのかけ方にもインテリジェンスを感じるし、フィジカルでの競り合いもそこそこやれる。とにかく楽しく見ていられる選手。

 

 他にも魅力的な選手がいますが、とりあえず主に試合に絡んでくるのはこのへんのメンツかなあと。もしDAZNヴェルディの試合を見ることがあったら(あるのか?)参考にしていただければ幸いです。